ピアノの鍵盤は、どうして88鍵になったのでしょうか?

ピアノができた初期の頃、鍵盤は54の鍵盤でしたが、当時の音楽家たちは、もっと音域の広い音が出るピアノが欲しいと要求しました。現在のピアノの鍵盤の数は88鍵です。これは7オクターブに3音が主流になっています。この音域が作られて定着したのは1890年(明治23年)のことです。

私達の耳には聞こえる音があります。それは約20ヘルツから20000ヘルツです。この範囲の音ならば聞き取ることが可能で、それ以外の音は実際に鳴っていても聞こえません。しかし、極端に高い音は音楽としては心地良くありません。

約4186ヘルツが私達の耳に心地良く聞こえる音だと言われます。これを越してしまうと雑音に感じてしまい音楽としてはマイナスになります。美しい音楽にはならないのです。「運命」の作曲家で有名なベートーベンは61鍵・68鍵・73鍵のピアノを使って作曲したようです。音の領域に関しても貢献度が高いのです。

85鍵のピアノが登場したのは19世紀後半。20世紀に入ろうかというときには、ようやく現在の88鍵が登場したのです。さらに88鍵を越すピアノに挑戦しているのが、ベーゼンドルファー製のインペリアルです。97鍵のピアノを特注で生産していますが、弦との共鳴が豊かな響きを与えるコンセプトがあるようです。

ですが現実に、97鍵のピアノが使われることはほとんどありません。この後、ピアノはペダルの効果によって、さらに豊かな音色を出せるようになりました。まるで、ささやくような耳に心地良く響く音色から、ガンガンと訴えかけるようなフォルテシモまで大胆な音を楽しめるようになったのです。

ピアノの種類

中古ピアノ

ピアノは楽器の王様とも呼ばれており、メロディーもコードもリズムもハーモニーも自由自在に奏でることができます。これまでの歴史の中で表現力の改良や発展を重ねてきました。それによって、いくつかの種類に枝分かれしてきています。この記事では【3種類のピアノの種類】について解説します。

グランドピアノ

もともと、ピアノの始まりはグランドピアノでした。私達が目にするシーンで多いのは、コンサート会場・学校の講堂・音楽室・ホテルのロビー・レストランなど。多くの方々が集まる場所です。

その音色は多くの方々を魅了してきたのですが、豊かな響きと多彩の音色があるからでしょう。力強い演奏もあるし、繊細な演奏もあります。デリケートな表現ができて、さまざまな心情や情景を表現できるので人気の楽器なのです。

グランドピアノが登場したのは18世紀のこと。形状について、ほとんど変化することはなかったです。グランドピアノを上からいたら、大きな手袋みたいな感じ。音を出す弦は床と水平に張られています。高い音を出す弦は短いです。低い音の弦は長いのです。こういった特徴から独特の形になったのです。

アップライトピアノ

グランドピアノは表現力があるのですが、場所を取るデメリットがありました。そのデメリットを克服して限られているスペースがあればピアノが設置できるようになったのがこのアップライトピアノです。フレームと弦を床と垂直になるようにデザインをしたわけです。

グランドピアノの機能をできるだけ活用して、できるだけコンパクトにするコンセプトを元に出来上がったのです。音質面で言いますとグランドピアノには劣ります。しかし、練習用のピアノ・趣味のピアノとして大いに普及しました。

近頃はグランドピアノの音色にできるだけ近づけるように、タッチや音色も改良されてきています。どんどんと省スペースモデルが大手の楽器会社が開発しています。ピアノの色も定番のブラックだけでなく、ホワイト・ブラウン・木目調なども販売されており、調度品としても楽しめるようになっています。デザイン性を重視したアップライトピアノも登場しています。

電子ピアノ

電子データに変換された音源が内蔵されているピアノの形をした楽器が電子ピアノです。ヘッドフォンを使えば時間を気にしないで練習できます。ビギナーでも簡単に音色や音量をコントロールできるのです。電子ピアノはグランドピアノやアップライトピアノのように調律をすることもありません。

またサイズ感もコンパクトですから、日本の住宅事情にはピッタリとしたピアノです。近頃ではグランドピアノやアップライトピアノと同じように、鍵盤のタッチによって音の強弱をつけることができるようになっています。機能は充実しており電子ピアノファンも多くなっています。

ピアノのメンテナンス方法

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ピアノはメンテナンスフリーではありませんから、ちゃんとメンテンナンスしなければなりません。自宅でできるメンテナンスと専門のピアノ業者に依頼するプロフェッショナルのメンテナンスナス方法があります。いずれも定期的に実施することによってピアノのコンディションをベストな状態にしておきたいものです。そうすればピアノの価値が長続きするのです。大切なピアノを大事にする姿勢はピアニストとして心がけて欲しいですね。

自宅でできるメンテナンス方法

1番目は「全ての鍵盤の音を出すこと」です。

ピアノを購入しても、ライフステージが代わると誰もピアノを演奏することがないご家庭もあるでしょう。そんな場合でも、ときどきはピアノの蓋を開けて音を出してください。

毎日、演奏する場合でもピアノの88の鍵盤の全てを弾くわけではありません。ときどきは、普段使うことがない音域の鍵盤や黒鍵を弾いて音を出しておきましょう。できるだけ、音を出してコンディションを意識しましょう。それがピアノのメンテナンスにつながります。

2番目は「ピアノに風を通すこと」です。

ピアノの内部を見ると分かるのですが、暗くて風通しが悪いです。換気が悪くなると湿気も溜まりますし、虫が発生するケースもあります。ピアノの内部の木材が虫に食べられてしまうと、正しい音色が出なくなります。そうなるとピアノとして致命的なダメージになってしまいます。

しっかりと換気をしておくには、天気の良い日に窓を開けてピアノを置いている部屋に風を入れてください。その時には、ピアノの鍵盤の蓋や天板も開けておきましょう。ピアノの内部の空気も入れ換えるとメンテナンスになります。

3番目は「掃除をこまめにすること」です。

ピアノの色は黒いですから、ほこりが目立ってしまいます。やわらかいピアノ専用の布で拭いてあげてください。側面は楽器用のハンディモップが市販されていますから、それで埃を払うといいでしょう。

鍵盤部分は指の皮脂や汗がつきやすくなります。ピアノの中でも一番汚れやすいです。ピアノの鍵盤用の布がありますから、それでこまめに拭き取りをしてください。特に鍵盤の側面は汚れが残りやすいです。専用のクリーナーを使うと綺麗に掃除できますので試してみてください。

4番目は「温度と湿度を一定にキープすること」です。

ピアノは温度や湿度の急激な変化に弱いです。たくさんの木材・フェルト・皮が使われているからです。最適な温度は15度から25度です。湿度は50パーセントから高くても70パーセントでしょう。ピアノを設置している部屋には温度計や湿度計を置くのは基本の「き」。しっかりと温度と湿度を管理してください。

雨の日は窓を閉めるのを忘れないようにしましょう。そうすれば湿度が上がることを防止できます。またエアコンの風が直接当たるのもピアノには悪い影響を与えます。デリケートなピアノには、それなりの配慮が必要になります。

ピアノのメンテナンス方法②

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専門のピアノ業者に依頼するプロフェッショナルのメンテナンスナス方法

1番目は「調律・整調」です。

ピアノは木材や皮などの自然素材が使われています。そのために時間が経過すると少しずつ音がずれてくるのです。最低でも半年から1年に一回は調律をしなければなりません。ピアノの正しい音程や音色を維持するには不可欠です。

どういったトラブルがでてくるのでしょうか?「ピアノから異音が聞こえてくる」「鍵盤の戻りがスムーズではない」「キータッチが重くなって感触が悪い」「1回鍵盤を叩いているのに2回音がする」「鍵盤が動いているのに音がでてこない」などです。こういったことは調律をすれば解消しますし、些細なことも調律師に相談すればトラブルを解決してくれるのです。

2番目は「オーバーホール」です。

オーバーホールはピアノの鍵盤に付いている「弦」だけでなく「ハンマー」「ダンパーフェルト」「調律ピン」などの全ての部品を点検して、問題があれば新しい物と取り替えることをいいます。オーバーホールをすると弾き心地や性能は飛躍的に改善します。部品の交換は全て交換する場合もありますし、摩耗した部分に限定して取り替える場合もありますから、事前に聞いておくようにしましょう。見積もりも取ってください。

3番目は「クリーニング」です。

クリーニングはピアノを分解して、細部に至るまで徹底的に掃除をすることを言います。外装に傷があれば修復してくれますし、金属部分は綺麗に磨きあげてくれるのです。クリーニングすれば、まるで新品のようにピアノが甦ってくれます。

引っ越しをする場合にピアノはどのように扱うといいのでしょうか?

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ピアノがあるご家庭が引っ越しをするケースもあるでしょう。しかし、ピアノは大型家具のように取扱はできません。運送の手間や設置にも制限があるのです。どれほど大切にしていても、移動するのはとても面倒なものになります。ここでは、引っ越しする場合にどのようなポイントに注意をすればいいのかをまとめておきましょう。

まず、考えておかなければならないのは、ピアノを引っ越す場合のコストは高いことです。普通の家具とはことなりピアノは楽器ですからとってもデリケートにできています。運送する場合はトラックに載せますから振動があります。

それによって音色が変化することもあります。だから、ピアノを引っ越しして運ぶ場合は、専門の運送業者や引越業者のピアノ運送オプションを利用します。

その金額がとっても高額になります。例えば、引っ越し業者のオプションを利用した場合は、状況にもよりますが、安くても数万円の出費になります。それだけではなくて、ピアノの設置を前提とした場合に、楽器の設置が不可な物件を選べません。日常的にピアノを演奏することがなくなっているならば、引っ越しの機会に売却する選択肢もあるでしょう。

しかし、ピアノを演奏することがなくても、手放すことができない場合もあります。その場合は複数の業者に見積もりを依頼して料金の比較をしてください。

ピアノを買取したあと中古ピアノとしてリサイクルされますが、どんな風に扱われるのでしょうか?

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リサイクルピアノとして販売される前に、専門のピアノ技術者によって徹底的にメンテナンスされます。傷があれば、もちろん綺麗に補修されます。故障している部品も交換し、調律も行われます。そんな風にして、ピアノ本来の機能を取り戻すわけです。外装にカビ・サビ・汚れがあればクリーニングされて、まるで新品と見間違うほどに生まれかわります。

生まれ代わった中古ピアノは日本国内で販売される場合もあります。最近は海外に輸出されることが増えているというデータがあります。輸出先としては、アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアなどの先進国が中心ですが、アジア圏のニーズも増えています。

中国・台湾・マレーシア・シンガポールなどのアジア圏にも輸出される事が多くなっています。今や中古ピアノの輸出先は全世界に拡大しています。大切にしてきたピアノも海外の子供達を中心に生まれ変わります。

ピアノを査定してもらう場合には、次のようなポイントをチェックするといいでしょう。
業者から聞かれることは、次のような項目です。

モデル名(型番)

アップライトピアノの場合は天板の蓋を開けたら正面中央部分から右側に金属板がありそこに印刷されています。グランドピアノの場合は、譜面台の下の金属フレームに表記されていますから、大屋根を開けて鍵盤側からチェックしてください。電子ピアノはペダル位置から見上げた本体の下や本体の背面にステッカーが貼られています。

製造番号

モデル名の近くに4桁から7桁程度の数字が記載されています。

メーカー

ピアノを製造した会社の名前は鍵盤の蓋の裏に記載されていますから、鍵盤の蓋を開けてチェックしましょう。

ペダル

2本のものと3本のものがありますので、これも確認しておきましょう。